皮膚科専門医に聞く乾癬治療乾癬治療のための
コミュニケーション術

“患者力”を磨いて、積極的に治療に参画する ② “患者力”を磨く~4つのポイント

治療の成功に近づくために大切なこと

治療への積極的な参加に際し、「患者力かんじゃりょく」が必要になってきます。患者力を磨くためには、以下の4つが大切です。

1. 敵を知る

乾癬とはどのような病気なのか、どのような治療法があるのか、日常生活で気をつけることは何かなど、ご自身の病気についてまず知りましょう。知ることによって、ご自身の体や病気に対する自覚と責任感が生まれ、治療選択や治療変更など、さまざまな場面において、自分の力で意思決定できるようになります。

2. コミュニケーション力

病気や治療に対して思うことがあっても、それをうまく伝えられなければ、思うような医療が受けられないかもしれません。医療従事者との信頼関係は、コミュニケーションを通じて構築されていきます。症状、病気や治療に対しての疑問、悩んでいること、治療に対する希望など、ご自身の意見や気持ちをしっかりと伝えましょう。あらかじめ、伝えたいことをメモしておいてから受診するのもよいですし、医師に伝えるのが難しい場合には、そのメモを看護師など、医療スタッフに渡したり、ご家族に一緒に来てもらって、ご家族から伝えてもらうのもよいでしょう。

3. 対処法を知り実践する力

乾癬治療では、「薬を塗る」「薬を飲む」「注射する」など、根気強く治療をつづけていく必要があります。また、「食生活を改善する」「体重を落とす」「飲酒を控える」「ストレスをためないようにする」「かゆくてもかかないようにする」「感染予防をする」など、生活面で心掛けた方がよいこともありますから、患者さんの日々の行動が大切です。だからこそ、乾癬に対する対処法(治療や生活における注意点)を知ったら、それらを実践する(行動にうつす)力が求められます。

4. 継続力

乾癬は、長く付き合っていく病気です。対処法を知り実践する力のほかに、その対処法を継続する(治療や生活習慣の改善などをつづけていく)力を身につけましょう。

「敵を知る」「コミュニケーション力」「対処法を知り実践する力」「継続力」-これらが揃って患者力が磨かれることで、治療の成功へとつながっていくと考えています。

ポイント
  • 積極的な治療参加のために、「患者力」を磨く
  • 「患者力」に必要なのは「敵を知る」「コミュニケーション力」
    「対処法を知り実践する力」「継続力」
医療従事者と患者さんの積極的なコミュニケーションのために ①乾癬治療は「乾癬」だけをみるのではなく、
患者さんの全体像が大切

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