わたしの乾癬物語 CHAPTER 02 - 後編 行動することが大切

わたしの気持ちと
ターニングポイント

自分に合った
治療方法との出会い

現在通院している病院では、塗り薬のほか、紫外線照射も行いました。紫外線を吸収しやすくする薬を溶かしたお風呂に入ってから照射するのですが、お風呂が熱いために、かゆみが増してかきむしってしまい、この治療方法は、私には合っていないのではないかと感じました。その時は、困っていることを先生に伝え、相談することで、継続できるように調整していただきました。

当時、関節症状も重症で、炎症を示す検査値が異常に高く、40~42℃の体温が毎日続いていました。誰でも40℃も熱があれば、起き上がることもできないでしょうが、私の場合、身体が痛くてだるいのが日常でしたので、普通に歩いていただけで、看護師さんに驚かれたものです。この炎症を抑えるために飲み薬も使いました。もちろん、関節の手術も受けました。

とにかく、先生に勧められた治療は、何でも試しました。私からも、「何でもやります」と伝えていました。その中で、「これ、いけるかもしれない!」という気持ちになったのは、塗り薬と注射薬の2つです。

注射をはじめて1ヵ月もしないうちに、隆起した皮膚がどんどん消えていきました。紅皮症といって全身が発疹で埋め尽くされている状態だったのが、少しずつ普通の皮膚になってきたのです。何十年ぶりに自分の本来の皮膚が見えてきたときには感動して、ずっと自分の皮膚を触っていました。まるで、これまで死んでいたのが生き返ったかのような感覚でした。関節の症状は元には戻りませんが、今では変形は止まり、痛みも半分くらいになっています。

自分から「もっと治したい」と思った

私は、もともとお酒は飲みません。ですが、実は、治療を再開するまでずっと、喫煙していました。でも、治療を再開したときから、一切、吸うのをやめました。先生から言われたからではなく、決意の証として自ら禁煙したのです。

病院に通いはじめて、こんなふうに何に対しても前向きな気持ちになれたのには、薬の効果に加えて、先生をはじめとするスタッフの皆さんの力も大きかったと思います。先生は「あなたの病気はこうだからこうしよう」と一方的に指示するのではなく、「一緒に頑張って治しましょう」という感じでした。看護師さんも、私に対して一人の人として接してくれ、一度、談話室で夜の巡回中の看護師さんが「私、こんなんで悩んでるねん」と打ち明けてくれ、話が弾んだことは思い出深い記憶です。

理学療法士さんにも感謝しています。リハビリ中、私が痛いと言っても、腕をかなり無理やり動かすのです。先生がレントゲン写真を見て「もうこれ以上は動かないでしょう」とおっしゃっているのに、「いや、やればいける!」って。実際に、そのおかげで、20~30度くらいしか上がらなかった腕が肩の高さまで上がるようになりました。

リハビリ室の事務の方も、「池内さん、今日はよく動いたねえ」と応援してくださいました。自分に合った病院と巡り合い、普通に接してくれるスタッフの方の支えが治療のモチベーションにつながり、「もっとよくなりたい」と、積極的に治療に取り組めるようになったのだと思います。

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