わたしの乾癬物語 CHAPTER 01 - 後編 乾癬とともに歩むために
「患者力」を上げて医師に自分の希望を伝えて

わたしの気持ちと
ターニングポイント

乾癬を知って「患者力」を上げる

近年は、インターネットで「乾癬」について調べるとさまざまな情報が出てきますが、信頼できない民間療法へと誘導するものも多く、注意が必要です。そこで、乾癬という病気を知るために、患者会を活用するのもひとつの方法です。患者会では講演や学習会などで乾癬やその治療について詳しく知ることができ、同じ乾癬患者さんの体験談を聞くことで共通点に気づくことができます。患者会なども活用しながら、乾癬という病気をよく知って「患者力」を上げていただきたいと思います。
「患者力」とは、患者会の活動の中で生まれた言葉です。「患者さん自身が病気やそれを取り巻く状況、自分の症状について知り、主体的に治療に取り組む力」と言い換えられます。この「患者力」こそが、なりたい自分に近づき、乾癬に関する悩みを軽減するカギだと考えています。「患者力」を上げて自分の状況を知り、自分がどうしたいかを考え、それを先生や看護師などの医療従事者の方に伝えることができるようになってほしいと思います。限られた診察時間の中で伝える方法としては、例えばスマートフォンなどで自分の症状を撮影して先生に見せる、訴えたいことや聞きたいことをメモするなどしてもよいでしょう。

患者さんの代理で患者会に参加されている方に
お伝えしていること

乾癬患者さんの中には、皮疹を人に見られたくない気持ちからご自身は患者会に参加できず、ご家族の方が代理で勉強会や講演に参加されることがよくあります。さらに、患者さん本人からは、病院に行き、薬を処方されてもよくならないという話をよく聞きます。
私は、まず受診しているのは皮膚科専門の先生(皮膚科専門医)の病院か、皮膚科の他にも内科など別の科を標ぼうしている病院かを尋ねて、皮膚科専門の先生の病院を受診するようお勧めしています。まずは皮膚科専門の先生に、自分の症状が何なのかをきちんと診断してもらうことが先決だとお伝えしています。
患者会では病院のご紹介はしていませんが、患者会のホームページに全国の相談医を掲載していることをお伝えするようにしています。

自己判断で治療を中断しないで

今、コロナウイルスの感染が全国で拡大しています。コロナによる不安はさまざまあるかと思いますが、テレビなどの過剰な報道に踊らされて過度に怖がり、自己判断で治療や通院をやめるようなことはしないでください。私も予定していた通院を1回延期していますが、病院に確認を取ってから決めました。治療や通院をキャンセルする前に、病院や主治医の先生に必ず相談し、電話による診療にするのか、通院を延期するのかを判断していただきたいと思います。
先生方は、コロナウイルスへの感染対策もしながら乾癬患者さんをどのように治療しようか真剣に考えていらっしゃいます。自己判断で治療を中断すると、せっかく改善していた症状も悪化する恐れがあり、次の診察にも行きづらくなってしまいます。自己判断で治療をやめることのないよう、乾癬治療に取り組んでいるすべての患者さんにお伝えしたいです。

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