皮膚科専門医に聞く乾癬治療乾癬治療のための
コミュニケーション術

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公益財団法人 日本生命済生会
日本生命病院 特任副院長兼皮膚科部長
東山眞里 先生
先生近影

治療を行ううえで必ず行われる「診察」——
みなさんは、大切な診察の時間を受け身で過ごされていませんか?
主治医にとっても、患者さんにとっても大切な時間をより有効活用するために、
皮膚科専門医にコミュニケーションのコツを伺いました。

コミュニケーションがとれる関係を構築していく

乾癬は長く付き合っていく病気です。乾癬は、苦痛に感じる症状の部位や程度も人によって異なるので、患者さんごとに治療ゴールを設定し、治療方法を選んでいきます。医療従事者と患者さんが同じゴールに向かって長い道のりを歩いていくためには、医療従事者と患者さんとで上手にコミュニケーションがとれる関係をつくっていくことが大切です。

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“患者力”を磨いて、積極的に治療に参画する ① 患者さん自身が“納得”して治療を始める

乾癬は、治療をつづけていくことが大切です。治療継続のカギは、「治療に対して患者さんご自身が前向きに取り組む」ことです。医療従事者が提示した治療法をそのまま受け入れるのではなく、患者さんご自身が治療方法を理解し、生活環境やライフスタイルに照らし合わせたうえで、納得して選ぶことが大切です。

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“患者力”を磨いて、積極的に治療に参画する ② “患者力”を磨く~4つのポイント

乾癬と上手に付き合っていくために、治療に対して受け身になるのではなく、患者さんご自身も積極的に治療に参加しましょう。そのためには「患者力」を磨くことが必要です。患者力を磨く4つのポイントは、「敵(乾癬)を知る」「コミュニケーション力」「対処法を知り実践する力」「継続力」です。

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医療従事者と患者さんの積極的なコミュニケーションのために ① 乾癬治療は「乾癬」だけをみるのではなく、
患者さんの全体像が大切

乾癬治療では、日々の生活の中で、乾癬の症状を悪化させない工夫をしていくことも重要です。思うような治療効果が得られないときには、治療そのものに限らず、生活習慣の中で、治療効果に影響を及ぼしている行動がないかを探っていく必要があります。また、治療そのものに問題があるときも、なぜ治療がうまくいかないのかを探っていく必要があります。そのためには、患者さんの日々の生活を振り返ることが重要であり、医療従事者と患者さんが積極的にコミュニケーションをとることが大切です。

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医療従事者と患者さんの積極的なコミュニケーションのために ② 患者さんにお願いしたいこと

乾癬の治療をつづけていくためには、患者さんが納得する治療を受けていただき、医療従事者と患者さんが同じ治療ゴールを目指すことが必要です。そのために、医療従事者と患者さんで積極的なコミュニケーションをとることが大切です。病気や治療に対して思っていることや、困っていること、悩んでいることなど、さまざまな面において気持ちを率直に伝えてください。

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東山先生からのメッセージ “治らないかも”とあきらめないで―
「自分に合う治療」を一緒に見つけましょう

残念ながら今はまだ、乾癬の根本的な治療方法は見つかっていません。しかし、適切な治療を行うことで、症状をコントロールし、乾癬になる前と変わらない日常生活を送ることができるようになります。治療によって長い間、症状が出ない患者さんもいらっしゃいます。

「治らないかもしれない」とあきらめないでください。乾癬の研究は、急速に進歩し、新しい薬や治療法がどんどん開発されています。乾癬は長く付き合っていかなければならない病気ですが、必ずご自分に合う治療薬、治療方法が見つかります。さまざまな治療選択肢の中から、継続可能な治療を一緒に選んでいきましょう。

乾癬の治療では、患者さんの日々の生活における努力も大切ですが、治療をつづけていく中で、うまくいかないことがでてくるかもしれません。そのときに、「これがだめだったんだ」「だからよくならないんだ」と悪い方向に考えたり、ご自身を否定するのはやめましょう。できたことに対して「ここは頑張った」「できることはした」と肯定し、ご自身の努力を誉めてあげてください。そのうえで、どうすれば乾癬をよくすることができるのかを、医療従事者と一緒に考えていきましょう。

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